遺品整理について
昨今の遺品整理の実情
『孤独死』件数の増加や『ゴミ屋敷』の急増が後を絶たず、ご家族や
大家さんが立ち入ることさえ出来ないという、現場が増えている中、
『特殊清掃』の需要が増大し対応できる専門家が求められています。
特殊清掃は「誰かがやらなくてはいけない仕事」であり、社会から求められている大切な仕事です。
遺品整理とは・・・・
遺品整理とは何を行うことなのか、というところをお話しする前に、まず”遺品”とは、そもそも、
どういったものを指すのかについて、述べたいと思います。
遺品の定義としては、亡くなった方の遺産の中でも、生前亡くなった方が日々使用していた生活雑貨や、
衣類、家具、家電製品などの物品全般のことを言い、さらに、その遺品を遺族で分け合うことは、
「形見分け」と呼びます。
遺品の中には、日記や手帳、手紙の他、預金通帳なども含まれ、その取扱いがご遺族に
委ねられる品々もあります。
そして、そうした遺品の扱い、整理する業者のことを指して、「遺品整理」といいます。
「遺品整理」では、亡くなられた方が生前使用し、想いのこもった品々でもある、”遺品”を整理して
いくこととなっていくため「遺品」として扱う場合には、大切に扱うように心がける必要があると
いえるのではないでしょうか。
「遺品整理」と対比される言葉として「遺品処理」があり、言葉の意味合いとしても、
”整理”と”処理”との違いによって、亡くなった方のもとにある物品についての見方さえも伺えてくるのです。
「遺品処理」といいますと、”遺品”ではなく、処理すべき”ごみ”として扱い、
想いのこもった品々を処理することに重点が置かれしまいがちとなります。そうなれば、利益追求のため、
処理ができればと仕事をし、遺族の想いも無視した状態になることさえ、考えてられてしまうのです。
そうした気持ちの暖みや遺族の想いを無視した行為が、昨今では「遺品の不法投棄」を生み
心ない対応に繋がっているわけなのです。
遺族の中には、「遺品」の扱いにおいても、遺品を”処理すべきもの”と単純に捉えられることに抵抗があり、
持ち家の場合、個人の生活家財一切合財ごとすべてを遺産として残し、持ち家の不動産税を
支払い続けるご遺族もいらっしゃるほどです。
仮に”処理”をお願いされた場合でも、そうした人たちの存在を考え、
扱いも慎重に行うことが望ましいといえるのではないでしょうか。
近年の傾向としては、家族が離れて暮らし、遺品整理の時間が取れない方、自分が高齢の為に、
人の手を借りなくては遺品整理ができない方、家族に迷惑をかけたくないと、業者へ遺品整理をお願いする方など、
遺品整理のご依頼の形は様々となっており、「すべて処理してほしい」という依頼があっても、
ごみのように扱うのではなく、個人を想う遺族の気持ちを汲み、気配りを持って、
接することが必要ではないでしょうか。